振るわれる鉤爪の一撃を、中空に盾を練成することで受ける。盾は確実にその一撃を防ぎ、そして役目を終えたように瓦解した。
 構成は解除していない。消滅したのは、与えた命令と異なる形状になってしまったから。つまり、盾として機能を果たせなくなったゆえに、盾はアイデンティティを失って跡形もなく消滅する。
 ようは、一撃殴られただけでぶっ壊れたということだ。
 練成に設定したのはドラウス鋼。主に建造物の基盤として用いられる鉱物で、大変硬く、尚且つ柔軟性を備えた合金だ。少なくとも、殴られただけで砕けるほど柔い代物では在り得ない。
「チィ……ちょこまかと逃げないでくれないかなぁ!?」
「まずそのふざけた爪を仕舞ってから言え……ッ」
 ふざけた物言いにまともに言い返してしまうのは、単に余裕のなさが原因だ。普段はゼロカンマ以下で思いつく皮肉を、考える暇さえ存在しない。
 盾が消滅すると同時に女は動く。――否、頭の天辺が俺の胸元程度の女は、女とは表現できまい。そう、A級指定ランクの練成士が、年端もいかない少女に圧倒されている。もはや余裕ぶっている状況はなかった。
 小さな体は、想像以上に良く動く。子供の運動能力にしては、という意味ではない。真っ当に評価するなら、常人より遥かに鍛えている俺の速度を、恐らく倍速で追い越している。しかも全速でないというのなら、もはや正体は一つしかないだろう。
 すぐに、余計な事に思考を割いている場合ではなかったと後悔する。何故なら、残像すら霞むステップで少女が踏み込んできたからだ。左、後に右。だというのに攻撃は背後から。
(冗談じゃない……!)
 軽々と金属を砕く鉤爪だ。人間の体など、一撃で風穴があくだろう。加速に入っているのなら、盾さえもう間に合わない。
 覚悟を決めた。同調率を90%でリンク。ゼロとイチ秒後の死を、法珠をフル回転させて十秒後の死に先延ばす。機械の速度で思考を回す激痛に吐き気をこらえながら、己を除く周囲の空間全てを串刺す槍の檻を作り上げた。間に合うかどうかさえ五分。例え子供であろうと、相手の体など思いやっている暇は存在しない。
「うわ、あぶないじゃない!」
 式も無茶、定義も無理な練成では長時間持たない。具現して一秒後には崩壊し、流体へ戻る途中の残骸の向こうで、少女が間抜けな叫び声を上げている。効果範囲のど真ん中で、既に攻撃モーションに入っていた筈の人間がそこにいた。
 その速度、もはや視認の域を超えている。天使か悪魔かはたまた鬼か。人間の動きではない。あるとしたらそう、咒法士くらいだ。その中でも、ああいった暴挙が可能な職、それは。
(何故、こんなところで特級指定ハイランクの咒踏士に襲われなければならない)
 A級とは別に一定のラインを超えた者のみが与えられる称号。
 あの少女がそうである証拠などないが、咒踏士としてそのラインを明らかに越えているのだから仕方がない。
 そして、こんなところまでのこのこと踏み入った己の浅慮を詰った。けれど、もし詰問が許されるなら、その相手は自分ではない。俺は胸中で一人の女を罵った。そう、あいつがきっと全て悪い。
(どこに行った――マリア=セルロット!)



Tale−Dried Flower−

 SideB-4



「何者だ」
 告げた言葉に、女は沈黙で返した。視線を僅かに逸らし、停止。言って良いものか、と逡巡しているのが見て取れる。
 けれどそれは、実際には一瞬だった。女は逸らした視線をすぐに戻し、酷く無機質な声音で言った。
「言うより、見てもらった方がはやいわ」
 そのとき女――マリアが浮かべた笑みを、すぐ後になって思い知る事になるとは思わなかった。

  *                 *                 *

 マリアは席を立つと、店のカウンタ側へと向かっていく。向けられた視線をついて来いという意味で解釈し、そのまま後に続いた。
 カウンタ側に回っても、狭いだけで何も見えない。けれど、よくよく見れば床に不自然な隠し扉が一つ。それを、マリアは躊躇う事無く開いた。
 そこには地下へと続く階段。科学全盛技術最新のこの大陸において、あまりに旧時代の入り口に頭痛さえ感じる。
 確かに、空間探査を誤魔化す結界を地下側に張っていれば、金属探知機の類ではアレを見抜くことは出来ない。よほど熱心な探索者相手でなければ十分に隠す事が出来るだろう。頭痛を感じたのはその一点、立地からして分かってはいたが、どう見てもマトモな泥棒避けじゃない。
 ……対象がコア過ぎるというものだろう。
 行くべきではないという判断が脳裏に過ぎる。けれど、それは今更だった。こんな場所、そう殺人者でも近付かないクロス深奥の無法区域に存在する店を訪ねたのは、それでも訊かねばならない事があったからだ。

 昨晩に戦った男のことを思い出す。名はルシファと言ったヤツは、人間ではなかった。
 ヤツが言っていたように、俺は魔術師の事など知らない。会った事もないし、どのような能力を行使するのかも未知数だ。けれど、これだけは言える。例えどんな魔術師でも、全身を貫かれても死なない魔術など使えまい、と。
 もしそれが可能だとしても、それは並大抵の魔術師ではないはずだ。そして、ヤツは並大抵どころではなかった。大体ヤツの魔術は停止だと、自分自身で言っていたのだ。その能力の片鱗さえ味わった。あれほどの反則的な能力を持っていてなお不死などと、もはや正気の沙汰ではない。
 そう、そして大事な事は、そのような化け物自身が、俺に向かってきた事。こちらには断じて理由が無くても、ヤツにはこちらを狙う理由があるのだった。
 腕に受けた傷が疼く。確実に殺した相手が実は生きていた、などヘイズでもはじめてだ。咄嗟に回避したものの、流石に完全とはいかなかった。一条の氷矢を二の腕に浴びながら、全力で離脱したのである。
 その場で止めを刺すという選択肢はあった。けれど、通常なら死んでいる傷を十数か所に負い、まだ反撃してきた敵である。その傷が致命どころか、重症かさえ判断できたものではない。心臓を貫いて死なないなら、今度は頭か?
 ――まさか。それで死んでくれる保証はないし、よしんば頭が弱点だとしても、なおの事簡単にやらせてくれるとは思えない。
 だから、俺としては逃げるしかなかった。
 敵から逃げた事などそう多くはない。その場で処理しなくては、未来において障壁となるからだ。
 今回はそれがもはや約束済みで、だからこそ、同じ現場にいた人間に会う必要があった。

 回想は時間にするなら一瞬だ。理由を思い出し、覚悟を決める。何の情報もない状況、こちらの切り札が既に敵に知れてしまった現状、次に会えば確実に負けるだろう。
 だから、俺は足を踏み出した。――それが、最後の一線だったと、最後まで気付くことはなかった。

  *                 *                 *

 入り口と違って、階段の先は無機質な通路だった。といっても、ところどころ汚れていて、材質も製作の技法もそう高度な物ではない。むしろ、突貫工事でとりあえず強度だけを確保した、という印象さえ受けた。
 無骨ゆえに崩れる心配のない回廊を、躊躇う事なく女は進む。歩きなれた道なのか、小さな灯りが所々あるだけの暗闇と言って差し支えない道でも、足取りは極めて安定していた。
 そうして進む事一時間。幾度も曲がり、時折出現する分かれ道を選び、いい加減どこまで行く気か問おうかと検討し始めた直後に、ソレは唐突に姿を現した。

 ソレは扉だった。ただし、周囲の通路のように適当な代物ではなく、恐らく相当の技術で製作された電子錠付きスライドドア。鈍い光沢を放つ扉には取っ手さえなく、代わりにコンソールが一つ据え付けられている。
「CodeZero,Open」
 呟くと同時にマリアはコンソールを叩く。機械音と共に小さな穴が開き、彼女はそこを覗き込んだ。
 シュッ、と摩擦音と共に扉が開く。マリアはこちらを振り返った。
「私が先だと閉まるから、早く入って」
 だろうな、と思い言われた通り先に入る。一瞬本当に良いのかと迷いが生じたが、ここまで来て退ける筈も無かった。
「あ、先に言っておくけど、キーワードとコマンドを覚えても無駄よ。メインは声紋と掌紋、それから網膜スキャンなんだから」
 流石にその程度の事は読んでいたのか、事も無げにマリアは言う。確かに覚えたのは事実だが、それが役に立つなんて考えていた訳でもない。
「職業病だ、気にするな」
「そうでしょうね、言ってみただけ」
 軽く言って、再び彼女は歩き出した。



「上を連れてくるから少し待っていて」
 十字路に付いた途端、彼女がそう告げてから既に五分。連れてくるだけならそろそろだろうが、説明も兼ねるなら三倍の時間は必要だろう。
 周囲を見渡せば、先ほどの通路とは比べモノにもならない技術が使われた建造物だった。
 まず材質が普通ではない。レム合金。遥か昔、百年戦争という咒法技術全盛期時代に開発された高性能素材だ。性質は柔軟性に富み、軽量。対衝撃性能に秀で、主に戦艦や移動式の軍事拠点に活用されていたモノである。戦闘、それも被弾を前提にした防御設計に多大な貢献を果たしていたと聞く。今では政府の一部でのみ使用されている希少金属だから、恐らくこれは戦争当時の遺物であろう。
(さらにこの構造となると、恐らくこの建物は――)
 推測が広がり始めたところで、俺は頭を振った。珍しいモノではあるが、分析したところで意味もない。
 こちらとしては話さえ、特に昨日の二人組みの情報さえ聞ければ良いのだ。マリアが何者かも気になるが、この場所を見るだけで大体の想像はつく。数ある武力組織の中、さて彼女はどこのエージェントかと記憶を検索した。
 尤も、フリーランスの俺にとってこういう組織はあまり関係が無い。仕事上全くの無関係とはいかないが、あまり近寄ってメリットのあるものでもなく、ましてや所属するエージェントの個人情報などどうでも良い。
 昨夜彼女を助けた事を引き合いに出し、適当に上とやらから情報を聞き出す。彼女がどの程度の位置にいるのか知らないが、咒法士として優秀なのは確かだ。貴重な人材を助けた恩は、簡単に反故に出来るものではない。
 いくつかの打算と、支払うかもしれない対価を計算する。組織とは機密性を保持するものだ。アッサリと内部に入ってしまったが、出るときには交渉が必要となるだろう。その内容を少しだけ思案していた。
 ――と、
「おにーさん、誰?」
 唐突に、真後ろから声をかけられた。
(……な、に?)
 慌てて振り向く。
 そこには、髪を両サイドに束ねた年端も行かぬ少女が一人。
 子供がこんなところにいるのが場違いなら、俺が気付けなかった事は何かの間違いだ
 仮に思考に没頭していたとしても、足音の一つでもあれば嫌でも気付く。どれほど小さな音だったとしても、衣擦や呼吸音だけだとしても同様だ。
 だというのに、声をかけられるまで全く気づく事が出来なかった。暗殺者の歩法さえ看破する走査を掻い潜るなど、子供に出来る筈が無い。
 その思考が仇となった。在り得ないモノに遭遇すること、それ自体には慣れている。無様に驚く事も無く、ただ警戒のレベルが上がるだけ。それはヘイズの意思ではなく、もはや体に染み付いた行動だった。
 ゆえに、少女は告げる。こちらの警戒を一体どういう意味で捉えたのか、彼女は目端を吊り上げるように微笑み、
「あ、なんだ――おにーさん、侵入者なんだ?」
 言葉が耳に届く前に、眼前で左腕が迫っていた。

  *                 *                 *

 咒法には属性というカテゴリがあるが、法具の性能も大まか二つに分類できる。
 一つは創造。流体を物質に引き上げる事で、無から有を創り出す能力。
 もう一つが使役。己が扱える属性の物質を支配下に置き、操作する能力。
 ほぼ全ての法具は、この二つの能力を同時に有する。当たり前だ、創造しても扱えなければ意味がないし、使役するにしても対象が無ければはじまらない。片方だけでは咒法は成立しないのだ。
 使役については、自然界の物質を操作する事で十分の場合もあるが、例えば属性が水の場合、水辺でしか戦えない咒法士になってしまう。
 ゆえに創造と使役、両方を行使できて初めて安定した能力を獲得出来る。個人差があるのはそのバランスで、創造能力が高ければ大雑把で大量生産、使役能力に特化すれば高度で繊細な操作が可能だ。
 その例で言うのなら、目前の少女は異端の咒法士だった。何故なら、一度とさえ創造能力を使っていない。
 ソレも当然であろう。彼女が使役するのは、己の肉体・・・・であるゆえに。
「……ッ!」
 周囲のレム合金に干渉。あまり練成に向いている素材ではないが、そんな事を言っている暇はない。
 創造能力を行使する僅かな時間さえ惜しいほど、少女の動きは高速だ。視覚に頼れないなら、経験と誘導で攻撃を防ぐしかない。比べて、少女は自分のみに咒法を注げば良い。どう見ても劣勢だった。
 大半の咒法士が自然の何かを操るのに対し、自分の肉体のみに働く咒式を行使する、特殊な咒法士が存在する。
 特殊属性、生体系――咒踏士と呼ばれる、近接戦闘と生体技術のプロフェッショナル。
 彼らは生体リミットの解除、肉体強度の向上に始まり、皮膚の硬化や変化、神経伝達速度の加速、さらには生物情報の改竄と、ありとあらゆる方法で己の身体を強化する。
 無論、全てを使えるわけではない。耐久を犠牲に加速する人間もいれば、鉄壁じみた防御力を誇る者もいる。全身から酸を生産する人間外さえいる。
 その意味でいうのなら、神速で駆けるこの少女はベーシックな咒踏士だ。特異な付与機能を持たない代わりに、生物としての基本能力が人間を超えている。
 壁を背に、周囲の金属を操作。咒法の干渉を弾くレム合金を無理やり槍に変化させ、広範囲に渡って展開する。
 あの回避速度を捕まえるの不可能だ。ゆえに、足止めにしかならなくても数で覆うしかない。
 けれど支配の弱い咒法では、拘束もまた弱い。彼女の身体に恒常的に働く咒法に、触れる端から打ち消されていく。
 その僅かな時間稼ぎをもって、創造能力を行使。思い通りに動く刃を多重展開して進路を封鎖、一瞬の遅延で少女の身体が輪切りになる殺意の檻だ。
(ここで殺してしまっては、この組織が黙っていない。しかし手を抜けばその時点であの世行きだ)
 勝敗のどちらも下策。攻撃はあくまで牽制だ。ただ、少女の能力があまりに高すぎる為に牽制が必殺レベルになってしまうだけ。
「いい加減、人の話を聞け!」
「そっちが大人しくしてくれたら考えてあげる!」
 舌打ちを一つ。一瞬その言葉を検討して、刹那以下で却下した。仮にこちらから攻撃を止めたとしたら、全力でヘイズを殺しに掛かっている少女が止まるのは、どう考えても死んだ後だ。少なくとも交渉の末に動きを止めなくては意味が無い。
(しかしそれは大人しくしてからと言いたいらしい……!)
 ゆえに、少女とは最初から没交渉。実力行使で動きを封じなければ文字通り話にならない。
(同調率70%でリンク)
 身体が相手の速度についていかなくても、思考速度は別の話だ。相対的に周囲が減速、その中でさえ素早く動く少女に辟易しながら、俺は作戦を検討する。

 完璧な勝利条件は、少女を傷つけずに攻撃を止める事。次善は軽症、下策は重症。敗北条件はどちらかが死ぬ事だ。
 問題は、真っ当に戦ったとしても果たして倒せるかどうか分からない、という事だろう。何せ咒踏士は接近戦では最強だ。その上であの能力、どう見ても特級指定――A級の中でも選りすぐり。
 何故あのような少女が、という疑問は後回し。
(仕方が無い、死んでも恨むな)
 一つ、覚悟を決める。手を抜けば死亡というのなら、例え死の危険があっても本気で倒しにかかるしかない。その上で無傷にいてもらうには、もはや相手の力量を信じるしかなかった。
『干渉領域展開・捕捉対象を敵対人物に設定・鋼線結界多重起動』
 いくつもの数式と文字列が脳内を駆ける。空間全てが情報化され、時間位置質量あらゆる情報を統合、最適の行動を逐次更新しながら描き、実行していく。
 少女が振るう爪を紙一重で躱す。触れてもいないのに髪先が切り飛ばされた。式の展開までに数秒、万全を期すなら、逃げ場が存在しなくなるほどの攻撃量を放つしかない。発動すればソレで終わる一撃だ。しかし。
(その間、咒法を行使せずにこの攻撃を防がねばならない!)
「もらった……!」
 あちらも実は相当切羽つまっていたのか、最初のふざけた声音ではなく、必至の一手を叫んで踏み込んだ。対し、こちらは握っていた銀剣で迎撃。法具そのものでぶつかってくるとは思っていなかったのか、少女の追撃が一瞬止まる。
 けれど、それでこちらの咒法が来ない事を読んだのか、今までのような回避含みの行動ではない、勝敗を決める一撃を繰り出してきた。その挙動は、ここにきて最速。けれど、こちらも式の発動は間に合った。
 そして、ほぼ同時に互いが――

「「………………ッ!?」」

 突然襲った、無数の殺意に飛び退いた。
 ――――ズガガガガガガガガガガガガガガガガ――――
 それは死神の大群。死をもたらす破滅の雨音。一片の容赦もない集中砲火。
 先ほど少女と争っていた空間を貫通する形で、向こうの壁に世にも恐ろしい弾痕が穿たれている。
 機関銃、それも弾丸一発一発に咒法が施された殲滅兵器。それを俺は知っていた。世界で一人、その悪魔の武装を持つ女の名を。
(なんで、お前が――)

「その辺にしておきなさい。次は、殺すわよ?」

 聞き覚えのありすぎる声。懐かしささえ感じる硝煙の匂い。あまりの驚きに、呆然と振り返った。もしその隙を、咒踏士の少女に突かれていたらそれで終わっていただろう。けれど、それでも俺は振り返った。沸き立つ感情は僅かな歓喜と、畏怖。

「エルダ!」

 少女と、呼ばれた女の隣にいるマリアが叫ぶ。ああ、言われなくても知っている。
 耳に馴染んだ声音が、まるでつい昨日会ったかのような気楽さで語りかけてきた。
「何年ぶりかしらね、元気にしてた?」
「三年ぶりだ。それから、今人生で一番景気が悪い」
 まともに頭が働かないなんて久しぶりだ。
 かけられた言葉に半ば自動的に軽口を返せば、女は良く知った笑みを浮かべる。
 エルダ=ロベリア。ヘイズ=ロートシルトが唯一絶対に勝てない練成士にして、
「相変わらずね、ヘイズ。貴方のそういうところ、嫌いだったわ」
「奇遇だエルダ、俺はお前のそういうところが苦手だった」
 唯一愛した、相棒だった。



Back   Menu   Next

inserted by FC2 system